アイキャッチ用とはいえ、久々にボールペンとシャーペン両方使う事になるとは。
自我と超自我とイドに翻弄される者たちよ
昔にプレイした作品なのですが、RefindSelf紹介したのでせっかくだから。
自己探求する二人の行きつく先は
このゲームのシステム自体はクリッカーおよび放置ゲーとなっており、その中で性格診断やキャラクターとの会話要素があるもの、と言えます。
そこにとても独特の世界観とキャラクターが加わることにより、不思議な作品となっております。
フロイトの構造論に影響されたと思しき世界で
プレイヤーは自身が何者かを探求する存在ですが、素性は不明と思われます。というかあなた自身と考えていいでしょう。
ふと、何故か見知らぬ道を歩くあなた。
そこに現れる巨大な顔の壁。こちらの事を「我が子」と呼ぶ。
自身をエゴ王と呼ぶその顔は、規範を司りし者という。
(スーパーエゴの立ち位置と思われる)
やはりエゴ王もあなたの自己をみつけるのはあなた自身と言う。
この道は現実より隔離された世界で、理想を追求する場であるらしい。
そこで現れるセリフ達を収集し、提示された書物を読み漁り、EGOを集めていく事を命じられる。
そんな中、「エス」という少女に会わされ、会話をしていく事になる。
(彼女は名前からしてイドポジションと思われる)
時折エスはこちらに質問をしてくる事で、あなたの性格を診断してくれる。
EGOを収集し、エスと会話していく事で自己探求をすすめていき、彼女もまた、それにあわせて自身を探求していくのだが……。
……そんな物語となっています。
エンディングは三つ
エンディングは三通りとなっており、性格診断以外のエスとの会話でどういった会話の選択肢を取っていったかによって決まります。
基本的にはエゴ王がくれるアドバイスがヒント。三週すれば全てのエンディングを回収する事ができる様になっています。
少しネタバレするとすれば、エスが最終的にどうなるかが違う、とだけ。
しかし独特のキャラクター、不思議な空間を引き立てるピアノBGM、そしてモノクロの中にワンポイントの水色が目立つ演出、それらが融合してとても魅力的な世界となっておりますね。すてき。
実際の書物が登場する
ちなみに、探求フェーズの吹き出しセリフや書物は、現実の書籍およびそこに書かれている文章となっています。
人間失格、デミアン、山月記、変身、狭き門、はつ恋、草木塔、抗夫、地下室の手記、シーシュポスの神話、フランケンシュタイン、不思議の国のアリス、星の王子さま、ポー詩集、ドグラ・マグラ……。
その中で、自己探求するのにうってつけの名言や文章がふきだしセリフとして採用されています。
自身を見つめなおしたい方、これらのなかの書物を一度読んでみるのもアリかもしれない?
私が救われた作品
……実は、このゲームは自分がどん底になっていた数年前に出会い、このゲームを通して自分を見つめなおし、再起しようとするに至ったという経緯があります。
自分を見失っているそこのあなた。雰囲気が合うのであれば、一度こちらをプレイしてみてはいかがでしょうか。
あと、エスが気に入った方は、COMPLEXの方もプレイしてみるのもあり。彼女の魅力がより描かれている作品となっております。
(そういえばSwitch版、実質的リメイク版といえる「ALTER EGO S」は結局発売未定のままどうなったのでしょうか……。)
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